線路は続くよどこかまで
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1,980円(税込)
発売日:2026年2月1日
ISBN:9784867948538
判型:四六判
ページ数:303ページ
シリーズ累計発行部数2500万部の大人気コミックス『BOYS BE…』の原作者最新刊!
読後、我が子へ電話したくなる本
児童書作家が後悔したたった一つのこと。
一度失いかけた命で父が描く、息子、そして家族への本音。
ひとりには、もう慣れてしまったはずだった。
妻が出ていってから、1年が過ぎていた。
まさかこの歳になって、男をつくって出ていかれるなんて、
悲劇よりは喜劇だったが俺は笑えずに泣いた。
生きる気力を失い、仕事は手につかなくなり、人と会うことを避け、自宅に籠もり、しかし前妻の荷物だらけの空間に身を置くのに耐えられなくなると、行く当てもなくふらふらと街を徘徊し、自宅に戻ると酒を飲んで、泣いた。打たれ弱い体質なのだ。
ついでに虚弱体質だったのか、運気も落ちていたのか、
ようやく仕事もしだしたのに、新型ウイルスに感染してこのざま。
一難去ったのかも定かでないうちに、また一難。弱り目に祟り目。泣きっ面に蜂。降ればどしゃ降り。このまま死んでもいいのか。
そんな時、ひとりの病室で思い出したのは、あの頃の、息子の笑顔だった。
――伝えられなかった言葉が、線路の先で響く。
板橋雅弘
東京出身。中央大学法学部卒。1991年から10年間、イタバシマサヒロ名義で『BOYS BE…』などのマンガ原作を手がけた。板橋雅弘名義では小説、児童書などを執筆している。






