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「本好きの下剋上  ハンネローレの貴族院五年生」ドラマCDアフレコレポート【その2】

「本好きの下剋上  ハンネローレの貴族院五年生」ドラマCD
アフレコレポート【その4】

【その1】【その2】【その3】【その4】|

4日目

○諸星すみれさん、井口裕香さん、速水奨さん、長谷川育美さん

諸星すみれさんはハンネローレ役、井口裕香さんはローゼマイン役、速水奨さんはフェルディナンド役、長谷川育美さんはリーゼレータ役と幼いレスティラウト役を演じてくださいました。
長谷川育美さんは新しいキャストさんですが、他は慣れた面々です。

最初は幼いレスティラウトから声の確認をします。

「先生、どうですか?」
「幼いレスティラウトですが、前と後ろのセリフで二歳くらい年齢が違います。そこを意識して、後ろのセリフは年齢を上げてください」
「○ページ、『其方』は『そなた』な」

いくつかの注意で幼いレスティラウトは終了し、次はリーゼレータの声を作りました。

「先生、どうですか?」
「大丈夫。OKです」

特に気になるところはなかったので、収録を進めていきます。

「○ページのリーゼレータはもうちょっと柔らかくお願いします」
「×ページのローゼマイン。やや揶揄う感じで」
「△ページ、『フェルディナンド様』と言いましたが、脚本通り『フェルディナンド』でお願いします」

諸星さんは前回で前編のほとんどを終えているのでエピローグのみの参加になります。

「このシーン、途中で呼び方が変わるのですが、これはミスですか?」

井口さんからそんな指摘が出てきました。

「あぁ、書籍では『話しにくいので以前の呼び方に変えますね』という一言があるのですが、ドラマCDにはないんですよね。どうしましょう? 書籍に合わせても良いし、ドラマCDでは呼び方を統一しても私は構いませんが……」

担当さんが「そこは書籍に合わせてください」と言ったことで、書籍に合わせた呼び方になりました。ドラマCDでは途中で呼び方が変わります。

「○ページ、『ありがとうございます』を『ありがとう存じます』に修正してください」
「×ページのローゼマイン。もう少し申し訳なさそうに」
「△ページのフェルディナンド。ちょっと喉が絡んだな」
「○ページのハンネローレ、セリフの前に少し溜めが欲しいです。それと、躊躇いながら言っているけれど、念を押す感じでお願いします」
「×ページのローゼマイン。最後の部分ですが、フェルディナンドの心配をして文句を言われたことを思い出している感じをもう少し入れてください」

慣れた面々はやはり収録が早いです。
前編が終わると、一旦終了。
フェルディナンドの出番は前編だけなので、速水さんはここで帰られました。
お疲れさまです。

他の方々は昼食用の休憩時間です。
その間に別の方の収録が入ります。

○豊口めぐみさん

豊口めぐみさんはジークリンデ役です。

以前の声を確認してから始めるジークリンデの収録。

「○ページ、ちょっと喉が絡んだかも? もう一回もらっていいですか?」

何度かご参加くださっていますし、ジークリンデの出番はプロローグだけなので早々に終了しました。

○寺島惇太さん

寺島惇太さんは星の神シュテルラート役で、新しいキャストさんです。

神様の声を作るところから始まります。

「先生、どうですか?」
「神様なので……」
「あぁ……」

また時間がかかりそうだなぁという重い「あぁ」が返ってきました。

「声は良いんですけど、喋り方が……多分ドレッファングーアやヴェントゥヒーテと合わないと思います」
「ドレッファングーアの声、出る?」

収録済みのドレッファングーアの声を流しつつ、「こう、ゆったりした感じで……」などの指導が音響監督さんから入ります。

「先生、どうですか?」
「とてもよろしいですね」

スタジオの方からも「おぉ、すんなり行けた?」「マジで? よかった」と明るい声が聞こえてきました。
声ができると、収録自体はとても早く終わりました。
女神達に振り回されがちな星の神シュテルラートのイメージ通りだったと思います。

○諸星すみれさん、井口裕香さん、寺崎裕香さん

ハンネローレ役の諸星すみれさんとローゼマイン役の井口裕香さんが昼食の休息を取っているところにヴィルフリート役の寺崎裕香さんが加わりました。

休憩中に聞こえた井口さんと諸星さんの会話。
「こんなにローゼマインのセリフが少ないの、初めてですよ。新鮮です」
「ハンネローレはすごく多いです。ずっと喋ってるって思いました」
「前にやった朗読劇でも私だけ出ずっぱりでしたよ」

そう。『本好きの下剋上』は一人称でナレーションやモノローグも主人公なので、一人だけセリフがめちゃくちゃ多いんですよね。二人とも主人公の宿命と思って頑張ってください。

後編の収録です。
慣れた面々なのでテストはなしで、最初からどんどん収録していきます。

「○ページ、ノイズです」
「×ページのハンネローレ。怪訝そうな感じではなく、わかっていてすっとぼけている感じでお願いします」
「△ページのヴィルフリート。『わたくし』って言いませんでした?」
「×ページの頭、『ハンネローレ様』のイントネーションがちょっと違ったな」
「○ページ、こちらのミスです。『神』を『女神』に修正してください」

今回ちょっと悩んだのは「織機」の読み方。

「先生、×ページの『織機』は『しょっき』?『おりき』?」
「どちらも間違いではないけれど、耳で聴いてわかりやすいのは『おりき』ですよね」
「じゃあ、『おりき』で」

収録の途中に一息入れることに。
ここでローゼマインは終了です。井口さんがスタジオを出られました。
少し休憩して後半戦です。

「○ページ、『皆』は『みな』と読んでください」
「×ページ、『本気で』を『本当に』って言っていません?」
「△ページのヴィルフリート、もっと怒りを出してください。逆鱗に触れた感じが欲しいです」
「○ページのハンネローレ、もっとキリッとした感じで、その次のセリフはキョトンとしたイメージでお願いします」
「×ページのヴィルフリート、最後はもっと重々しく」

今回の収録でやはり苦戦したのは神様です。
時の女神ドレッファングーアが降臨したハンネローレを諸星さんに演じてもらわなければなりません。

「まだ神様が残ってたか……」

音響監督さんの溜息に思わず笑ってしまいました。神様らしさを伝えるのに苦労しますからね。私も同じような気持ちですよ。

「ドレッファングーアのボイスが出るならば、それに合わせてもらった方が良いと思います」

音響監督さんの「出るか?」に対する録音さんの「出します」が心強いです。
ドレッファングーアのボイスを聞いてもらい、再びテスト。

「ちょっと違いますね。もっと上から目線で、あと、もうちょっと抑揚? 一言一言切るくらいのイメージで」

何度か修正していただき、女神降臨ハンネローレの声ができました。

ハンネローレもヴィルフリートもセリフが多めだったので、今回の収録は大変だったと思います。
お疲れさまでした。

○梅田修一朗さん、遠藤綾さん

梅田修一朗さんがオルトヴィーン役、遠藤綾さんがエグランティーヌ役です。
二人とも新しいキャストさんです。

まずは前編から収録です。
とはいえ、前編にはエグランティーヌの出番がないのでオルトヴィーンだけです。

「先生、どうですか?」
「OKです」

声は問題なかったので収録を進めます。

「○ページ、こちらのミスです。『ハンネローレ様の目元が少しだけ動くことに』と修正をお願いします」
「×ページ、『お目こぼし』のイントネーションが違うな」

個人的に「受け入れていただける隙が」に苦戦する梅田さんが可愛かったです。脚本では「いただける」と「隙」の間に改行があるせいで「受け入れていただける」で一旦終わる感じになってしまうんですよね。一文が長すぎました。反省。

前編の収録を終えると、後編です。
後編にはエグランティーヌも登場するので、声の確認をします。

「先生、どうですか?」
「OKです。これで進めてください」

収録はサクサクと進みます。

「△ページのオルトヴィーン。『フリュートレーネ』が『フリュートリーネ』になりましたね。あと、『お』が抜けました」
「×ページ、もっと注意する感じが欲しいです」
「△ページ、『難い』は『がたい』と読んでください」
「○ページのオルトヴィーン、決意を込めてください」

後編の最後まで録って、アドリブやアクションの録り忘れがないか確認して終了です。

「終了です。お疲れさまでした」

音響監督さんの声で一気に空気が緩んで、ざわめきがコントロールルームに広がります。
奥の方で「こちらでサインをお願いします。写真はどちらから撮りますか?」と声が聞こえている中、私と鈴華さんにも担当さんから労いの声がかかります。

「これで『ハンネローレの貴族院五年生』のアフレコは終了です。お疲れさまでした」

今回は新しいキャストさんが多くて、新シリーズという感じがしました。
新シリーズの開始をドラマCDと共にお楽しみいただけると幸いです。

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